キッチンカー開業

キッチンカーの電源どうする?

管理人のいたくらです。以前テレビ中継車をキッチンカーに改造されている方の動画を見ましたが、羨ましい一方で燃料費がどれだけかかるのか心配になってしまいました。

目次

そもそも電源って必要なの?

キッチンカーに興味を持っていろいろと調べてみると、どうやら車体横についている外部電源コネクタから電気を引っ張っているみたいだと。その電気は出店場所で電源を借りれる場もあれば、自ら発電機を持ち込んで確保するのがほとんどであると。

出店場所に電源が無い場合も多いので、ほとんどの方が自前の発電機を用意する必要が出てくるとは思いますが、最近はキッチンカー用に電源が備えられたイベントスペースも増えていて、そういう場所では発電機なしでも営業が出来ちゃいます。ただ、際限なく電気を使用することは当然できませんので、一般家庭の電気を借りたとしてブレーカーが落とさないその一つの目安がおよそ1500w。これ以上を使うのならば発電機と併用しなければならないわけです。

そもそも何に電気を使うのか?

照明

換気扇

冷蔵庫(冷凍庫)

電気調理器具

音響機器・電子マネー端末・パソコンなど

必要なワット数に関してはほぼ電気調理器具にどれぐらい使用するのかで上限が変わってくるので、何を提供したいのかによって違ってきますが、それ以外の照明・換気扇・冷蔵庫・その他の合計使用ワット数はおおよそ200wを見ておけば良さそうです。

私はキッチンカーでコーヒーを提供したいと考えていて、全自動のエスプレッソマシンだと抽出時に1400w~1600wが必要で、これだと電源を借りる場合にこれだけでほぼ1500wを使ってしまいます。ハンドドリップで淹れるとしても、お湯を沸かすのに電気ポットや電気ケトルを使うと900w~1200W(500wぐらいの電気ケトルもありますが、お湯が沸くまで10分以上かかる場合が有るらしい)で、これにパンを温めるようにトースター900wを使えばどちらにしても完全にオーバーになってしまいます。

私がキッチンカーの製作をお願いしようとしている製造業者さんでは1500wのブレーカーを標準設置していて、なので最初1500w以上は絶対に使えないものだと勘違いしてしまってました(笑)。なのでトースターをガスオーブンに、電気ポットをガスコンロにし、プロパンガスを使う事で何とかできないかと考えました。ただ、まだ大丈夫みたいですが、特にキッチンカー限定でプロパンガスの販売が断られるケースが増えてきているという話を聞き、足踏みをしていました。なぜプロパンガスで断られるかは後述します。

完全に私の思い込み違いでしたが、製造業者の方に確認したところ、1500wを超えるような場合、いくつかの電気調理器具は発電機に直接繋げばよいとの事。私のケースだと、エスプレッソマシンか電気ケトルは発電機から直接繋げ、残りは外部コンセント経由で繋げれば大丈夫という事ですね。

発電機があれば大丈夫?

消費電力の大きい電気調理器具を複数使うなどする場合なら発電機は必需品と言えるでしょう。ただし、カタログスペックでは賄えるはずのワット数でも、同時使用などの状況下ではパワーが落ちて十分な性能が発揮できないことがあるので、自分が必要とする概算ワット数合計の1.5倍の発電能力(概算合計が1500wなら2250w以上の発電能力)の発電機を使用するのが良いようです。

出店場所で電源を借りれない場合の事を考えると、発電量の多い機種を選べば良いように思いますよね。私もそうでした。

でも発電機の、どこでも安定した電力が得られるというメリットの一方、デメリットもたくさんあります。

うるさい

ガソリンくさい

比較的値段が高い

重い

大きい

発電機はむき出しのエンジンみたいなものなので、当然音が結構します。音が小さいタイプもありますが、あくまで普通の発電機よりもうるさくはないというだけで、そこそこにはうるさいです。発電機の燃料はガソリンなので、どうしても匂いはします。小さな発電機や、例え大きい発電機であっても、稼働時間が長かったり出力が大きかったら給油する必要も出てきます。ガソリン携行缶を別途用意し自分で給油するので、入れ方が悪く零れてしまえばしばらくガソリン臭さが残ってしまいます。発電量の小さいものであれば3~4万程度で購入できますが、2000wを超え量になると10万円を超えるものも出てきます。さらに大きなものともなれば30~40万は当たり前という、結構な金額となってしまいます。ちなみに10万円を超える備品・設備については固定資産税もかかってきます。

最近は持ち運びができるタイプで2800wクラスで20kg前半というかなり軽い発電機も出てきましたが、3000wを超えると30kg以上もザラでなくなってしまうので、少なくとも女性一人では出し入れが難しくなってきます。大きさも同じですね。2800w持ち運びクラスで大体50×30×40㎝はあるので、それを置くスペースが必要になってきます(BOXから下ろせないと相当のスペースが潰されることになる)。

あくまでこれは使用する電気量が多い場合なので、商材によってはここまで大きくない安い発電機でも、それどころかポータブル電源でも十分な可能性はあります。幸いにしてウチの最寄りの保健所の基準では車の走行中の冷蔵庫の稼働は義務ではないとの事でしたが、保健所によっては走行中の冷蔵庫の稼働を義務付けしているところもあるそうで、何らかの発電機器はあって損しないかなと私は思います。

パソコンやスマホなどを繋げる前提なら必ず精密機器の使用もOKなインバーター制御のものを選ぶようにしましょう。

発電機以外に何かないの?

先ほど名前を出したポータブル電源。使う電源が冷蔵庫に換気扇、照明にスマホ充電ぐらいなら全然賄えるものもあります。ただしこれも長時間利用となると足りなくなってしまう可能性があります。また当然ですが、充電しなくては使えませんね。

同じく必要ワット数が少ないという方であればシガーソケットから電源をもってくるというのも一つの手段ですね。キャンプ用のポータブル冷蔵庫だとこのタイプのものも多いです。走行中の冷蔵庫の稼働のみで必要というならこれが一番簡単で安く調達できます。ただ、運転中であればともかく、営業中もというのであれば車そのもののバッテリーが切れてしまい車が動かせなくなるなんて事態もあり得ますので、そこは注意しなくちゃいけません。あくまで営業中では電気は使いませんな方のみといったところでしょう。

サブバッテリーという手もない訳じゃないみたいですが、これは相当に現実味が低いみたいです。ポータブル電源レベルの使用量に対して発電機以上の重さとスペースが必要で、且つ値段もそこそこ必要な上に配線も専門家にやってもらわずに発火する危険性も高くなりますし、バッテリーそのものも2~3年で劣化するので交換しなくてはならなくなる為、これを採用されているキッチンカーはほとんどないみたいですよ。

プロパン(LP)ガスはなぜダメなのか

商材によってはカセットコンロで十分という方もいらっしゃるでしょうが、お好み焼きやたこ焼き、唐揚げなどであれば間違いなくプロパンガスが必要になってくるでしょう。個人でもタンクを購入し、都度ガスを充てん販売してもらえます。タンクの容量が10kg×2本以下であれば「高圧ガス」の警戒票の表示も要りません(たとえキッチンカーであってもこれを越えて車に乗せれば表示はしなくてはなりませんが)。

まだまだ普通に契約が出来るガス販売業者さんもあるみたいですが、ガス販売会社さんから契約を断られるケースが増えていうのも事実だそうです。それはなぜかというと、経済産業省の通達(推奨)で、ガス事故防止の観点から「現場に急行できる範囲での販売」が求められており(ちなみにおおよそ30分で駆け付けられる距離だそうです)、不特定の場所へ移動使用するキッチンカーがこれに抵触する可能性が高い為、断られてしまうとの事。

ただ、全く使えなくなるかというと、そうでもないみたいです。一つはレンタル。出店場所の最寄りのガス販売業者さんに出店場所までタンクを持ってきて貰い、営業終了後にタンクごと返却するというやり方。ガスの使用量に応じての料金かどうかはレンタルするガス販売業者さんによって違うかもしれません。もう一つも基本はレンタルですが、出店場所によっては主催者から貸し出ししてもらう。自分で契約するか主催者が契約するかだけの違いですが、最寄りの販売業者を探し、レンタル可能かどうかの確認をする手間を考えると後者の方が楽ではあります。

プロパンを借りれたとして、もう一つ注意点があります。それはガスタンク一つに対して繋げるガス器具は一つだけという事です。家庭でも見かける二口分配器等の使用は禁止されています。ガスを使う機器が複数になるのであれば、その数だけタンクを用意しなくてはなりません。

ガスには電気にはない火力がありますので、調達手段さえあれば選択肢としては有り。提供数が少なかったり、それほど火力を必要としない商材であればカセットコンロやホットプレートを使用する方が現実的かもしれません。

まとめ

どうしてもプロパンガスが必要な器具を使用するのでなければ、ちょっとした火口はカセットコンロを使用し、ほとんどの器具は電気でというのがまあほとんどになると思います。発電機を用意するかどうかに関してはその重さ大きさが負担になるかどうか、希望する出店場所に電源があるかどうか、そんなにたくさんの電気調理器具を本当に必要としているのかどうか次第。

最初に述べたように1500w以下の使用量であれば一般家庭から借りることも出来るレベルなので、コードリールの力業も有りだと思います。発電機も軽いとはいえ20kgってそこそこの重さなので、持ち運びの負担から電源のない出店場所には出店しないというキッチンカーさんも実際いらっしゃるそうですし。

私事で考えると、ランチBOX販売時にコーヒーの注文が入るとなるとどうしても時間短縮の為にエスプレッソマシンで淹れる方が最善となりますが、ランチBOXにはスープをつけるつもりなので、実際にコーヒーを求められる方がそこまでいるのかとなるとおそらくほとんどいらっしゃらないんじゃないかと。ランチタイムが終わってからであればそれほど提供スピードを求められることは無くなりそうなので、そうすればカセットコンロでお湯を沸かせば1500w以下で十分賄える計算になります。まさにエスプレッソマシンを導入するかしないかで大きな発電機が必要か不要かが決まるって感じですが、実際軽トラタイプのキッチンカーって思った以上にスペースが確保できなさそうなので、たぶん見送りかな?

こんなご時世で、非常時用の電源として使えるという意味では購入しても失敗という事にはならないかと思われます。発電機に関しては一応購入しておいていいかな?レベルだと思います。

ABOUT ME
いたくら
以前、車の街愛知県豊田市で焼き菓子とカフェの店を経営してました。現在キッチンカーの開業を目指して迷走中。開業までの道程を疑問や苦労話とともに綴ってます。