管理人のいたくらです。シュークリームは断然カスタード派。
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カスタードと言えば
最近カスタードクリームを売りにしたコンビニスイーツが大人気らしいですね。某コンビニの生カスタードシュークリームはあのバスクチーズケーキ発売当初並みに売れているそうです。
カスタードクリームというのは和製英語で、英語ではコンフェクショナーズカスタードもしくはペイストリクリーム、フランス語ではクレームパティシエールというのが正しく、直訳すると”お菓子屋さんのクリーム”とか”菓子職人のクリーム”ってなります。
冷蔵庫が一般的に成る前は、ケーキのクリームと言えば生クリームではなくバタークリームやカスタードクリームでした。冷蔵庫で冷やせないので、常温で劣化が少ないクリームとしてこれらのクリームは必然だったという事でしょう。
カスタードクリームはそのままシュークリームに使うだけでなく、基本のクリームとしていろいろアレンジされて使われます。おなじみの、ホイップした生クリームと合わせたクレームディプロマットや、バターもしくはバタークリームと合わせたクレームムースリームはフランス版ショートケーキとも呼ばれるフレジエに使われます。イタリアンメレンゲと合わせたシブーストクリームはサントノーレやタルトシブーストに使われますし、アーモンドクリームと合わせたクレームフランジパンヌはアーモンドクリーム単体で焼くよりもしっとり柔らかに仕上がります。
カスタードクリームには大量の卵黄が必要となり、余った卵白の有効活用としてフィナンシェやマカロンなどのメレンゲ菓子が生み出されたというのも面白い話ですね。
生カスタード?
もともとはヨーロッパで卵のサルモネラ菌対策の一つで出来たんだと思いますが、乾燥卵黄に砂糖、コーンスターチなどの粉末ミックスで、これに牛乳を加えて炊き込むだけで簡単にカスタードクリームが作れてしまうという、カスタードパウダーという製品があります。
いちいち卵を割る必要も、粉を測る手間も減らせて、且つ卵白を余らせずに済むというのが大きな利点です。まあ、パティシエの中にはこれを通常の粉に置換してより濃厚に仕上げたり、安定剤がわりに使ってる方もいらっしゃいます。
このカスタードパウダーはどちらかと言えばお手軽便利的な素材と言えますが、近年発売されるカスタードパウダーの多くが非加熱タイプとアレルギー対応タイプです。非加熱タイプはその名の通り、冷たい牛乳にパウダーを混ぜるだけでカスタードクリームが作れてしまうというさらにお手軽なもの。アレルギー対応タイプは、そもそも原材料に卵を一切使用していないので卵アレルギーの方でも食べられるカスタードクリームが作れます。さらに牛乳を使わずに水で作れるタイプなら乳製品アレルギーの方でも食べれるみたいです。
まあアレルギー対応タイプはあくまで疑似的なカスタード風のクリームという感じなんでしょうが、これまでアレルギーで食べられなかった方にとっては福音でしょう。
某コンビニの生カスタードスイーツの生の部分が何を指しているのかはわからないのですが、おそらくはこの非加熱タイプを使っているってことなんでしょう。ただちょっと思ってしまうのは、製造法以外での”生”の利点が何なのかという部分。
自分がこれまで作ってきたカスタードクリームとは違っていて、どうしても違和感を感じてしまっていて手に取る勇気が出ませんでしたが、やっぱり一度は試してみないといけませんね。食べてもないのに批評的なことはダメですし。
皮かクリームか
シュークリームを2つに区分するとしたら、皮をしっかりと食べさせるタイプと中のクリームをたっぷりと食べさせるタイプに分けれるんじゃないでしょうか。これは完全に好みの問題なので、どちらが上でどちらが下で、どちらの方が正しくて、どちらの方が間違っているという話では決してありません。
皮も厚くザクザク触感のハードタイプのシュークリームは、皮そのものの風味や食感とバランスを取る為にか、多くはカスタードクリームのみを詰めるタイプが多いように思われます。同じディプロマットクリームとしても生クリームの配合比率が低かったり。あくまで皮を味わってもらうという主観のシュークリーム。ただ、パンパンに詰めてしまうとクリームが量も味も重くなってしまうからか、比較的小ぶりで作られてる感じでしょうか。
ハードタイプとは逆に皮が柔らかいソフトタイプはふわふわで大き目な為、クリームが少ないとスカスカに感じてしまい、なのでボリュームのわりに軽い食感になるディプロマットクリームや、いわゆるダブルクリームがよく使われます。こちらは大きさのわりにペロッと食べれる、クリームを主体として食べさせるタイプになるんでしょう。
まあどうしてもハードタイプのシュークリームだと、クリームを詰めてから時間経過でクリームの水分が皮の食感を損なってしまうので、食べられるまでの時間が短い専門店に多くみられ、生クリームを加えることで単体のカスタードクリームよりも粘度が増し、多少水分を含んだとしても皮の食感にさほど影響を与えないソフトタイプが輸送過程を挟むスーパーやコンビニなどで多く採用されることになったんじゃないかと。
まとめ
自分が作る菓子やパンのモットーとして、普段使いの飾らない味というのがあります。たまに食べる高級パンは確かに美味しいですが、毎日の食事に食べたいかとなるとちょっと違う気がします。シュークリームは家庭で作るにはスポンジケーキを焼くよりもハードルが高く、家庭で作るおやつとはならなさそうですが、どこのケーキ屋でも売っていて、しかも気軽に買える”THEおやつ”なスイーツだと思い入れがあります。まだどんなタイプのシュークリームにするのか決まっていませんが、キッチンカーでも販売したいと考えています。